筋トレと人生

私の趣味の一つが、筋トレだ。

基本的に毎日プランク4種各1.5分2セット、懸垂20回、腕立て40回、スクワット50回をノルマとしている。ジムに通って高重量を扱うものではなく、もう一つの趣味であるボルダリングのためのトレーニングという位置づけではあるものの、私の人生にとって筋トレは大変重要な役割を果たしてきた。

  

筋トレとの出会いは15年ほど前、中学生の頃だ。その頃私は大変太っていて、12歳にして体重が80kgほどあった。食べることが大好きで運動が嫌いという典型的クソデブだったのだが、当時所属していた合気道部のコーチの影響で、筋トレとの付き合いが始まった。

 ある日、コーチが練習の一環として、腕立て伏せをやらせた。当然、当時の私は10回もできなかったのだが、サッカーや野球などのいわゆるスポーツとは違う楽しみを感じた。きっとそれは、筋トレが本質的に他人と比べるのではなく、自分と向き合い自分を超える行為であることに起因していると思う。それまで友達が少なく、一人でゲームばかりしていた私は、無意識の内に筋トレに惹かれたのだ。

 夏休みに入ると、一人家で腹筋と腕立てを毎日のノルマにした。来る日も来る日も筋トレ。夏休みが終わる頃には、気づくと10kg以上の減量に成功していた。

 

減量に成功したことは、私に大きな変化をもたらした。

自信がついたのだ。

痩せたこと自体もそうだし、それまで話したこともなかったいわゆるスクールカースト上位の子達から「痩せたな!」と話しかけられることも増えた。それまで嫌いだった体育でも多少なりとも動けるようになった。それまで「太っている」ということがコンプレックスだった私が、その呪いから抜け出した瞬間だった。

 

勢いそのままに高校ではそれまでの非運動系を抜け出し、ド真ん中のフィールドホッケーを始めることにした。ホッケーのおかげで、高校生活は大変充実したものになった。部活で毎日走り込みをしながらも筋トレを続けたことで、順調に技術が上達していった。思えば、筋トレとスポーツの相乗効果を生み出すのは、今も当時も変わらないのかもしれない。

大学受験を挟み、大学に入ると筋トレから多少疎遠になった。まぁ、大学生なんてそんなものだ。しかし、毎日のノルマはなくなっても低頻度で筋トレは続けていた。根底には、高校時代のクソデブに戻りたくないという想いが強かったのだと思う。

社会人になると頻度はさらに減り、最初の3年ほどはほとんど筋トレをしていなかったように思う。初めての環境、一人暮らし、毎日の残業と、筋トレをする余裕がなかったのだ。

社会人3年目の時、私は体調を崩し休職した。どうにか3か月で復帰、その後1年かけて普通に働けるようになり、そこから筋トレを再開した。再開した理由は、あまり覚えていない。でもたぶん、何か「このままではいけない!」と感じたのだと思う。

 

そして3年程前、ボルダリングを始めた。

始めた当初は、筋トレとボルダリングは相性が悪いと思い筋トレを控えていたのだが、昨年の自粛期間から再開。改めて筋トレのすばらしさに気づいた。

基礎筋力が上昇し、保持力が上がった。体幹が鍛えられ、安定性が増した。下半身が安定し、ヒールが上手くなった。日に日に締まっていく身体を観察することで、自分に自信を持てるようになった。日々のストレスの捌け口として、精神的に良い影響を与えてくれた。まさに、筋トレ様様である。

  

以降、現在まで筋トレは続いており、これからも続けていくことだろうと思う。筋トレは年齢も性別も関係なく誰もが始め、継続できる運動だ。デスクワークが増え、座ることが増えた現代だからこそ、身体を鍛えることで人間本来の身体のあり方を取り戻すことができるのではないだろうか。

何も重いものを扱う必要も、ハードなトレーニングをする必要もない。腕立てとスクワットだけでも十分だ。一度筋トレをすれば、きっとその素晴らしさに惹かれることだろうと思う。だから、ぜひ多くの人に、筋トレを初めてみてもらいたい。