緩くいこうぜ、人生長いんだ。

30代、適当に生きようぜ。

【楽曲感想】Soranji / Mrs. GREEN APPLE

ものすごく今更だが、Mrs. GREEN APPLE(以降ミセス)の『Soranji』という曲を聴いて感動したので感想を書いていく。

 


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この曲は、第二次世界大戦後のシベリア流刑を描いた映画『ラーゲリより愛を込めて』の主題歌になっており、本作のためにミセスが書き下ろした楽曲だ。

一度聴いてみれば分かるが、とにかく歌詞も曲展開も壮大。最後にはボーカルの大森元貴が空まで飛んでいる。フェーズ2に入ってからポップな曲が多かった中で、久々にフェーズ1の『クジラの唄』や『僕のこと』のようなバラードが聴けて個人的に大変嬉しい(髪型などもフェーズ1っぽくなっていて、それも嬉しい)。

 

残念ながら映画本編は未視聴なので、予告編から推測するしかないが、本作のテーマは「生きる」であると思う。特に、サビ部分の

まだ消えちゃいないよ ちっちゃな希望を

何とか信じて 信じてほしい

裏切りが続こうが

「大切」が壊れようと

何とか生きて 生きてほしい

という歌詞からは、戦後シベリア流刑にされた元日本兵が、厳しい環境に耐えながら、本国で待つ家族のために必死で生きる姿が、容易に目に浮かぶ。

 

本作を聴いて、ミセス、あるいは大森元貴の凄さは、その歌唱力ももちろんだが、歌詞づくりにあるのだと再認識した。特に、誰でも分かるような簡単な言葉を使って、埋もれがちな当たり前の事実をあぶりだすのが圧倒的に上手いのだ。

本作でも

有り得ない程に キリがない本当に

無駄がない程に 我らは尊い

という歌詞をメインに持ってきている。これは人間の命の尊さを言っている訳だが、めちゃくちゃ簡単な言葉しか並んでいないのに「確かに、、、」と納得させられる。

他にも、『僕のこと』では

僕と君とでは何が違う?

それぞれ見てきた景色がある

僕は僕として いまを生きてゆく

とても愛しい事だ

と、これまた簡単な言葉でその通りなことを言っている。

こうしたシンプルでいて奥の深い歌詞に加えて、大森元貴の圧倒的な歌唱力があってこそ、中高生を中心に多くの人の心を掴んでいるのだろう。

 

ミセスは間違いなくこれからも大きくなるバンドだと思う。フェーズ2がどんな展開を見せるのか分からないが、これからも楽しみに応援しよう。