緩くいこうぜ、人生長いんだ。

30代、適当に生きようぜ。

【読書記録】だから仏教は面白い!/魚川祐司

日本は仏教国である。

というと、様々な反論はあるだろうが、明治維新までは間違いなく仏教は日本の宗教の中心にあったし、今でも日本中の寺の数はコンビニよりも多いという。

では、そんな仏教について、私たちは何を知っているだろうか。

実は何も知らないのではないか。

そもそも仏教とは何か?解脱とは何か?何を目指しているのか?

そんな基本的な問いに答えてくれる入門書。

 

私なりの仏教の教義に関するまとめは別記事を作成するとして、本書は仏教の基本的な考え方を学ぶのには最適な本だと思う。

7章から成っていて、著者の魚川さんとインタビュアーの対談形式となっている。そのため、大変読みやすいし口語調なので頭にも入りやすい。

しかし、語られている内容自体は非常に抽象的で形而上学的なので、理解をするのは難しい。特に輪廻の概念や解脱においては、著者も述べているように「感じる」ことでしか本当の意味では実感できない。

あくまで基本的な考え方を「学ぶ」本だ。

 

仏教は、よく言われるように「いい人になれる」とか、「心が穏やかになる」というたぐいのものを目指すのではない。「異性とは目も合わせないニートになれ!」と説き、一般的な人間の快楽に逆行することを勧める「ヤバい」思想なのだと著者は力説している。

最初は意味が分からないが、読み進めるうちに意味が分かってくる。

曰く、生きることとは苦である。苦には原因がある。苦の原因を滅することで苦から逃れられる。その苦の原因とは、人間が持つ「求める心」(渇愛)である。

つまり、修業を通じて渇愛を滅することで、苦に満たされた世間を脱する(解脱)することができる。そのためには、一般的に人間が快楽と感じる承認欲求や性欲などを滅する必要がある。つまり、「異性とも目も合わせないニートになる」しかないのだ。

 

もちろんこれは原始的な仏教の教えであるので、日本に渡って進化した大乗仏教の考え方とは異なっている。しかし、個人的には念仏を唱えれば救われるという「信仰」に寄った大乗仏教よりも、「すべては自分の捉え方、考え方次第だ」という原始仏教の方が好きである。

 

仏教とは何か、どんな考えを持っているのか。

それをどのように日々の生活にインストールできるのか。

少しでも気になる方は、是非読んでみることをお勧めする。