緩くいこうぜ、人生長いんだ。

30代、適当に生きようぜ。

怒りと悲しみの記録

 

生きていればモヤモヤすることなんざ沢山ある。それらをいちいち重く受け止めていたら精神が持たない。そんなことは分かっているけど、どうしても心から離れない出来事というものもある。忘れようと思っても忘れられず、その時のシーンをありありと思い出せる。それくらい鮮明に強烈に心に刻まれるということは、きっと自分の人生や考え方に影響を与えるくらい大きな出来事なのだ。だから、しっかりと向き合う必要がある。

これから先、その出来事は自分にとって何かしらの示唆を与えてくれるだろう。だから、いつでも振り返られるようにここにしっかり記録しよう。

 

 

昨日、現場のチームメンバー(以降Kさんとしよう)に、先週、先々週と二回受けてきた研修内容をフィードバックした。

研修には私と彼の上司も参加しており、今後社内の共通言語として使用する可能性がある。研修内でも、社内の情報共有が大切ということで、ここはいっちょ私がやってお香じゃないのと思ったのだ。


Kさんと私ともう一人(Yさん)の三人で集まって、研修内容のフィードバックを始めた(ちなみにYさんも研修参加)。私が研修資料を見せながら説明を始める。

すると、まだ話し始めて数秒しか経っていないのに、

「あぁ、その辺は分かるので良いです。先に行ってください」

とKさんが言ってきた。

 

おや、既に知っている内容だったかと思い確認すると、「いや、初めてです」と返ってきた。初めての研修の内容を知っているってどういうことやと疑問に思ったが、確かにそんなに難しい話ではないからなと思い、先に進んだ。

 

話は、研修の核心であるメンバーの開発レベルに至った。研修の核心だ。これを伝えることが本会の目的だ。と意気込んだところでKさんは

「なんか普通ですね。大体分かるので良いです。先に行ってください。」

と言ってきた。

 

・・・。いや、ここ研修の核心だよ。資料をぱっと見ただけで何が分かるの?ていうか、そもそもちゃんと話聞こうよ。私は若干の不快感と違和感を覚えた。隣にいたYさんも、不穏な空気を察したようだった。訝しみながら、Kさんの言う通り説明を飛ばして最後のページに移った。

 

説明を終えるとKさんは、

「なんか当たり前の事ですね。こんなものに2日もかけたんですか?無駄じゃないですか?」

とすごく斜に構えた態度で感想を言った。

 

この言葉をトリガーに、私は強烈な不快感と怒りを覚えた。「受けてもいないのによくそんな偉そうな口が利けるな!じゃあお前は書いてある内容を実践できるのか!」と言いたくなった。とはいえそこはぐっと堪え、研修で学んだことをYさんと話した。

 

私からは、これまでKさんに割と指導的な態度で接してしまっていた。きっとKさんもやりにくかったと思うから、これからはなるべく干渉しないようにすると伝えた。

するとKさんはニヤニヤしながら、

「本当ですね。私は自走できる状態だと思うので、それでお願いします。」

と言ってきた。

 

あぁ、きっとこの人はもう私と話したくないのだ。そして、私ももう話したくない。この場は一刻も早く終わらせるべきだ。そう思い、私はそのまま会議を解散した。

 

KさんとYさんには先に戻ってもらい、私はその場に残って今あった出来事を振り返った。残ったのは強烈な不快感と怒り、そして少しの悲しみ。

Kさんは、確かに物おじせず色々発言する人だ。でも、人の話を聞かないような人ではないと思っていた。だからこのような態度を取られたことへの驚きが大きかった。

でも、この時点である程度その原因は想像がついていた。

 

得も言われぬ不快感を抱えながら、もしかしたら何か不満があるのかもと思い、上司に事実を共有しておいた。すると、しばらくしてざっくり以下のような返答が来た。

「私は、Kさんのパフォーマンスおよびその他の活動に関して評価をしています。モチベーションも下がっていないように感じています。もしかするとMocharionさんが依頼したタスクの中に、Kさんが納得できないことがあったということはありませんか。Mochrionさんの取り組み自体は素晴らしいですが、彼が今受け入れる姿勢にないのであれば、無理に巻き込まなくても良いかもしれません。」

 

 

・・・。

んなこたぁ言われなくても気づいているわクソが!!!

 

Kさんのパフォーマンスに問題がないことも、モチベーションが高いことも見れば分かる。Kさんがああいう態度を取ったのは、これまでの私の接し方に問題があって、私に対して不満があったことも、その場の空気で気付いているわ!

もちろんそんなこと上司には言わない。言ったとして、「分かっているならいいじゃないですか。Mocharionさんが態度を改めてください。」と言われるだけだ。

そらそうだ。そうすれば全部丸く収まる。全部私が悪くて、私が態度を変えればKさんは不快な思いをしないで済む。上司もこれまで通りKさんのパフォーマンスに期待できる。

でもじゃあ、私が感じた強烈な不快感はどうしてくれるんだ。仮に私が原因だとしても、それがKさんが私に対して失礼な態度を取って良い理由にはならない。モノの因果が分かったとして、「はいそうですか」と切り替えられるほど私はできた人間じゃない。

 

ただ私は、「そんなことがあったのか。かなりむかついたんじゃないか。」と一言言ってほしかった。自分が原因だと分かっているからこそ、誰かに手を差し伸べてほしかった。

それは求めすぎかもしれない。でも、それくらいのケアは求めても良いのではないだろうか。「あなたが悪いです。自分でどうにかしてください」が真実だとしても、被害者に手を差し伸べなかったら、やった者勝ちになってしまう。ただ自分の気に入らないことに対して文句を言って、態度に出して、相手を不快にして、そうやった者が勝ちになってしまう。頑張るだけ損。そんなんじゃもう誰も頑張りなんかしない。

 

 

この出来事は、これまで私が独り善がりでやってきたことの結果なのは理解している。Kさんが何を求めているかも考えず、自分が正しいと思ったことを押し付けたことの結果。今回の研修内容をフィードバックすることだって、Kさんからすれば余計なことなのだろう。彼からすれば「また面倒なこと言ってやがる」くらいにしか思わないんだろう。

だから、これからは私が自らの態度や考え方を改める必要がある。相手のことを考え、相手に合った接し方をする。それが求められることを痛感した出来事だった。

 

それを理解した上でもう一度だけ言いたい。私は、この件で誰にも手を差し伸べてもらえなかったことが、ただただ悲しい。

甘えていると言われようが構わない。自分でどうにかしろという反論もその通りだと思う。それでも、悲しいものは悲しいのだ。

 

※2023/3/29更新