緩くいこうぜ、人生長いんだ。

30代、適当に生きようぜ。

リスキリングより稼ぐ力の方が大事じゃないか

 

昨今、リスキリングという言葉をよく耳にする。

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これまで育ててきた能力とは別の新しい能力を身に付けて、新しい仕事に就きましょうと。学びなおし自体は素晴らしいことだし、それをサポートする環境が整うのは良いことだ。しかしうがった目で見ると「なるべく長く納税・社会保険料を払ってもらうために、なるべく長く労働してもらおう」とも読み取れる。

リスキリングはその名の通りリ・スキリングなので、技術や知識の習得が目的になっている。具体的にはプログラミングや資格など。確かにこれらの能力は仕事をする上では欠かせないし、あって損するものではない。私も翻訳スクールに通ったり、プログラミングの勉強をしたりもした。いずれも上手くいかなかったけど。

それらの経験を踏まえて最近思うのは、本当に身に付けるべきは「稼ぐ力」なのではないかということ。いくら技術があっても、それを使って稼ぐことができなければ意味がない。リスキリングは、その考えが抜けている気がしてならない。

 

「稼ぐ力」を具体化すると、以下の3つの力の掛け算になると考えている。

①営業力 × ②価値提供力 × ③マネジメント力

①営業力は、自分の能力を周囲にアピールし買ってもらうための力。提案やマーケティングなんかが該当する。

②価値提供力は、まさにスキルの部分。専門知識や経験、プログラミング能力など。製造・小売り業であれば商品のクオリティが該当する。

③マネジメント力は、人や資源の管理。組織運営もそうだし自己管理もそう。製造・小売り業であれば在庫、原価管理なんかも該当する。

これらの力は掛け算なので、どれかがゼロでは意味がない。いくら営業力が高くても、価値提供できなければ意味がないし、それを管理できなければ意味がない。逆に、どれだけクソみたいなものでも、営業力が強ければ売りつけることはできる。だから本当の意味でお金を稼ぐためには、これらすべての力を高いレベルで習得しないといけないのだろう。

 

法人はこの力を分業という形で確保している。営業力は営業部門、価値提供力は製造や開発部門、マネジメント力は組織階層および役職。本来これら三つの力は互いに協力し合わなければならないのに、自分たちのセクションしか見ないからいがみあう。そうなると組織としての稼ぐ力が発揮されず、業績に不振に陥る。

個人の場合は、前述の通り一人ですべての力を確保する必要がある。もちろん外部委託を使っても良いだろうが、本来的には一人で賄えるべきだろう。そのためには幅広い分野に関する知識と経験が欠かせない。リスキリングという言葉に、どれだけその意味が含まれており、どれだけの人がその事実に気付いているのだろうか。

 

自分に関して言うと、前職SEで現在はビジネスコンサルということで、価値提供力とマネジメント力はまぁそれなりにある気がする。だからこそ今も仕事ができてお客さんから重宝されている訳で。さらに今はその中でも特にリーダーシップというマネジメント力を鍛えている状態だ。

一方で、営業力は皆無。これまで「案件は与えられるモノ」というスタンスで仕事をしてきたので、自分から取りに行くという感覚がないし、どうすれば良いのかも分からない。だからこれからは、セルフブランディングだったり提案だったり。営業的な経験をしていく必要があるのだろうなと思っている。逆に、それができると独立開業も夢じゃないかもしれない。

 

リスキリングと聞くと、言葉の意味も相まって技術習得に意識が向く。しかし、一歩引いて考えると、今のスキルでも上手く稼ぐことはできるのかもしれない。使えるものは使いつつ、世間の流行に流されず、自分がやるべきことを俯瞰して見られるようになると、新しい可能性が見えてくるかもしれない。