【読書記録】仏教思想のゼロポイント / 魚川祐司
仏教とは、悟りを目指して日々修業に励む実践である。
では、その教えを信じ、人類が2,500年以上目指してきた「悟り」とは一体何なのだろうか。
原始仏教の教えを解明し、仏陀が至った「悟り」の正体を解明しようとするのが、本書だ。
この本は、私が仏教に興味を持ち、深く知ろうと思ったきっかけの本なので大変思い入れがある。
以前紹介した「だから仏教は面白い」と同じ魚川祐司さんによる本で、内容をより硬派、深堀りした本になっている。
原始仏教の教えについてはまた別の記事でまとめようと思うが、流れとしては以下のように悟りの正体に迫っている。
- 仏教の基本的な考え方
- 仏教を支える論理は何か
- 無我とは何か、世界を終わらせるとは何か
- 「悟り」とは何か
このように書くとまるで何を言っているのか分からないが、簡単に解釈すると以下のようになると理解している。
- 仏教では、生きることは苦であると説く
- 苦の原因は、物事を求める渇愛である
- 渇愛は、この世が縁起の法則に基づく無常だからこそ生じる
- 無常から渇愛が生じる理由は、そこに絶対的な何かを求めたり、常に欲望が生まれては消えを繰り返しているからである
- 物事をありのままに見て、欲望を滅することができれば、苦から解放される
- しかし、それは世の中一般に言われる「幸せ」とは逆行する動きになる
- そのため、仏教は世間一般に人間が認知する「世界」を捨て、新たな次元の思考に至る実践である
- 世間から脱し、新しい次元に至ることを悟りという
と、書いたは良いがそれでもいまいちよく分からない。。。
そもそも悟り自体、学んだり理解するものではなく、経験して体感するものとのことなので、少しでも近づくためには瞑想などの行動が必要だ。昨今話題になっているマインドフルネスなんかが、まさにその実践にあたる。興味のある方はそちらから入ってみても良いかもしれない。
数年ぶりに読み返して、仏教のシンプルな思想に惹かれたことを思い出した。あれから色々状況が変わり、思い悩むことが増えてきた今だからこそ、この仏教の思想が自分には合っているのだなと改めて感じた。
「仏教は決していい人になることを目的としていない」と著者は釘を刺しているが、少しでも自分の人生にプラスになるならば、取り入れてみても良いと思う。
以前ご紹介した「だから仏教は面白い」を読み、さらに詳しく知りたくなった人におすすめの一冊。