緩くいこうぜ、人生長いんだ。

30代、適当に生きようぜ。

【読書記録】仏教思想のゼロポイント / 魚川祐司

仏教とは、悟りを目指して日々修業に励む実践である。

では、その教えを信じ、人類が2,500年以上目指してきた「悟り」とは一体何なのだろうか。

原始仏教の教えを解明し、仏陀が至った「悟り」の正体を解明しようとするのが、本書だ。

この本は、私が仏教に興味を持ち、深く知ろうと思ったきっかけの本なので大変思い入れがある。

以前紹介した「だから仏教は面白い」と同じ魚川祐司さんによる本で、内容をより硬派、深堀りした本になっている。

 

原始仏教の教えについてはまた別の記事でまとめようと思うが、流れとしては以下のように悟りの正体に迫っている。

  1. 仏教の基本的な考え方
  2. 仏教を支える論理は何か
  3. 無我とは何か、世界を終わらせるとは何か
  4. 「悟り」とは何か

 

このように書くとまるで何を言っているのか分からないが、簡単に解釈すると以下のようになると理解している。

  1. 仏教では、生きることは苦であると説く
  2. 苦の原因は、物事を求める渇愛である
  3. 渇愛は、この世が縁起の法則に基づく無常だからこそ生じる
  4. 無常から渇愛が生じる理由は、そこに絶対的な何かを求めたり、常に欲望が生まれては消えを繰り返しているからである
  5. 物事をありのままに見て、欲望を滅することができれば、苦から解放される
  6. しかし、それは世の中一般に言われる「幸せ」とは逆行する動きになる
  7. そのため、仏教は世間一般に人間が認知する「世界」を捨て、新たな次元の思考に至る実践である
  8. 世間から脱し、新しい次元に至ることを悟りという

 

と、書いたは良いがそれでもいまいちよく分からない。。。

そもそも悟り自体、学んだり理解するものではなく、経験して体感するものとのことなので、少しでも近づくためには瞑想などの行動が必要だ。昨今話題になっているマインドフルネスなんかが、まさにその実践にあたる。興味のある方はそちらから入ってみても良いかもしれない。

 

数年ぶりに読み返して、仏教のシンプルな思想に惹かれたことを思い出した。あれから色々状況が変わり、思い悩むことが増えてきた今だからこそ、この仏教の思想が自分には合っているのだなと改めて感じた。

「仏教は決していい人になることを目的としていない」と著者は釘を刺しているが、少しでも自分の人生にプラスになるならば、取り入れてみても良いと思う。

 

以前ご紹介した「だから仏教は面白い」を読み、さらに詳しく知りたくなった人におすすめの一冊。